中古車の購入費を経費計上するには?減価償却や耐用年数について解説

法人で車を所有している場合や個人事業主が事業用の車を保有している場合は、会計処理で経費を正しく計算して計上する必要があります。車の購入にかかったコストを経費計上するには、減価償却や耐用年数の考え方を正しく理解することが大切です。
中古車を購入した場合は新車とは計算方法が異なるため、より計算が難しいと感じる方もいるのではないでしょうか。そこでこの記事では、中古車の購入費を経費計上するときの基本的なルールと計算方法を紹介します。正しい計算方法を学ぶことで、会計処理を適切にできるようになるでしょう。
- 中古車の購入費を経費計上するには?
- 中古車の購入費を経費計上する方法とは?
- 中古車の経費計上額を計算してみよう
- 中古車の経費計上で注意したいポイント
- 経費計上で購入する中古車にも気を配ろう
- 経費計上で購入する中古車を探すならケーユーへ
- まとめ
中古車の購入費を経費計上するには?
事業用の車を購入したときに支払った代金は、税法によって決められたルールに従って経費計上できます。経費計上する際にはいくつか意識しなければならないポイントがあるため、ここでチェックしておきましょう。
法令に従って適切に経費計上するためにも、以下で紹介する3つの基本ルールを正しく理解しておくことが大切です。
経費計上の要件を満たす
車の購入費用であれば、どのようなものであっても経費計上できるわけではありません。基本的に、購入した車が以下で紹介する条件のいずれかに該当している必要があります。
・法人名義の車である
・個人事業主が購入した車で事業に使用している
プライベートにのみ使用しているマイカーなど、事業に使用しない車は経費計上できません。購入する車を事業に使用するかを考え、経費計上の可否を判断しましょう。
諸費用も経費計上できる
車両本体価格だけでなく、購入に伴って支払った諸費用も経費計上できます。中古車の購入時には以下の費用を負担するのが一般的です。
・自動車税環境性能割
・自動車税種別割
・自動車重量税
・自賠責保険料
・リサイクル料金
・法定費用(車庫証明・検査登録印にともなう証紙・印紙代)
・陸送費(納車費用)
・メンテナンス費
・代行手数料
なお、中古車販売店は自動車公正競争規約のルールに従って、本体価格に上記の費用を含んだものを販売価格として表示しています。帳簿に記載するときは内訳を確認し、それぞれの費用を適切な科目に仕訳しましょう。
諸費用に関しても経費計上できるのは事業用に限られ、プライベート兼用の車を購入する場合はより細かく計算する必要があります。
プライベート兼用車は家事按分する
購入した車を事業とプライベートで兼用する場合は、事業用として使用する分のみを経費計上するのがルールです。これを家事按分と呼びます。一例として、個人タクシーの車両をマイカーとしても使用する場合を考えましょう。今回例示する条件は以下の通りです。
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年間の走行距離が上記のようになる車を購入する場合は、事業用80%・プライベート用20%で按分します。購入する際に支払った代金も上記の割合で経費計上しましょう。なお、購入後に発生するランニングコストも上記の割合で按分して経費計上します。
中古車の購入費を経費計上する方法とは?
オフィス用品の購入とは異なり、中古車の購入費用はそのまま全額を購入した年の経費として計上できません。正しい方法で経費計上するためには、減価償却の考え方を理解しておく必要があります。
ここでは、中古車を購入したときの減価償却について詳しく解説します。新車を購入したときとは異なる部分もあるため、注意が必要です。
車の経費計上には減価償却を行う
時とともに価値が徐々に低下する性質をもつ資産を経費計上するときは、車の取得価額を一定のルールに従って分割して毎年経費計上します。これを減価償却と呼び、中古車にも適用されるルールです。
減価償却のルールには定率法と定額法があり、法人税のルールでは基本的に定率法を用います。ただし、中古車の購入費は車両運搬具に該当し、あらかじめ届け出ることで定額法を採用することも可能です。いずれの方法を採用している場合でも、毎年の経費計上では「減価償却費」という科目を使用します。
車の耐用年数を把握する必要がある
減価償却は取得価額を耐用年数に応じて分割して経費計上するルールであるため、各資産の耐用年数を正確に把握することが重要です。耐用年数とは資産の価値がなくなるまでの期間のことで、税法によって定められています。
車の法定耐用年数は6年であるため、新車を購入した場合はそのまま耐用年数を6年として計算します。中古車を購入したときは、以下の計算式を使用しましょう。
法定耐用年数-経過年数+(経過年数×0.2)
計算結果に1年未満の数値が含まれる場合はそれを切り捨て、2年未満になったときは一律2年として減価償却します。一例として、4年落ちの中古車を購入した場合を例にして計算すると以下の通りで、1年未満の数値を切り捨てるルールにより耐用年数は2年です。
6年-4年+(4年×0.2)
=6年-4年+9.6か月
=2年9.6か月
中古車の経費計上額を計算してみよう
減価償却の計算方法には定額法と定率法があるため、それぞれの計算方法を詳しく解説します。法人税のルールにおいては車の減価償却法として定率法を基本としているものの、届け出れば定額法を採用することも可能です。そのため、自社が採用しているルールがどちらかを正確に把握して計算方法をチェックしておきましょう。
定額法による計算方法
定額法を採用して減価償却することを届け出ている場合、毎年の償却額は一定になり、以下のように計算します。
取得価額×定額法の償却率
4年落ちの中古車を300万円で購入した場合で計算してみましょう。耐用年数は2年、定額法償却率は0.5とされるため、具体的な計算は以下の通りです。
300万円×0.5
=150万円
定額法では毎年同じ金額を償却し、毎年150万円を2年間にわたって経費計上します。シンプルでわかりやすいルールといえるでしょう。
定率法による計算方法
法人税の基本ルールである定率法を使用して減価償却するときの計算例も見ていきます。計算式は以下の通りです。
未償却残高×定率法の償却率
未償却残高に基づいて毎年償却額を計算するため、時の経過とともに償却額が減少します。さらに、別途償却保証額を計算し、計算結果が償却保証額未満になった場合は、改定取得価額×改定償却率で算出した金額を償却するルールです。
4年落ちの中古車を300万円で購入した場合、以下のように計算します。耐用年数は2年、定率法の償却率は1、保証率は定められていません。上記を計算式に当てはめると以下の通りです。
300万円×1
=300万円
上記の計算結果に基づき、購入した年に全額を経費計上できることが分かります。耐用年数が長くなれば定額法より計算が複雑化するのが特徴です。
中古車の経費計上で注意したいポイント
新たに中古車を購入し、経費計上するときはいくつか注意しておきたいポイントがあります。場合によっては経費計上が認められなくなるケースもあることがあるため、事前に一通り確認しておくようにしましょう。ここでは、特に意識したい3つのポイントを解説します。
プライベートな使用目的で購入しない
中古車の購入費用を経費として計上できるのは、事業用として使用する場合のみです。そのため、プライベートな目的のみで使用するのであれば経費計上できません。
一例として、個人事業主が1台を事業用、もう1台をプライベート用として2台の車を購入するケースでは、経費計上できるのは事業用の1台のみです。プライベートな用途のみで使用する車を事業用として経費計上することは脱税に当たるため、適正な会計を心掛けましょう。
ローンの経費計上は利息のみ
ローンで車を購入している場合、毎月の返済額は元本と利息に分けられます。そのうち経費に計上できるのは利息のみです。
元本は購入代金に相当し、返済の都度経費に計上するのではなく車両運搬具として減価償却します。利息部分の仕訳では「支払利息」を使用します。
購入の記録や証拠を残しておく
中古車の購入代金を経費計上した場合、購入した証拠を残しておくことが必要です。具体的には、以下の書類を保存しておくとよいでしょう。
・注文書
・領収書
上記以外にも任意保険の契約書など、購入時の状況によって書類が増えるケースがあります。購入時に支払った金銭に関して記載されている書類があれば、すべて保存しておくのがおすすめです。なお、購入の証拠となる書類は、法人税法により確定申告書の提出期限の翌日から起算して7年間の保存が義務付けられています。
経費計上で購入する中古車にも気を配ろう
事業用の中古車を購入する場合は、経費計上の方法や金額以外にも注意したいポイントがあります。ここでは、金銭面のメリットを重視するときに意識したいポイントを2つ見ていきましょう。
購入する車種や年式を考慮するとよりお得に中古車を購入できます。法人税対策として車の購入を検討している方にとっても見逃せない情報です。
リセールバリューを考慮する
一度車を購入したら、その後ずっと乗り続けられるわけではありません。さまざまな理由で乗り換えたり手放したりする可能性は十分に考えられます。
買い替えや売却を視野に入れて車を購入する場合、リセールバリューを考慮することが大切です。以下の条件に該当する車はリセールバリューが高く、購入するときの参考にしましょう。
・人気が高い車種である
・定番のボディカラーである
・ファンが多い車種である
・新たに入手するのが難しい
リセールバリューが高い車を選ぶことで、次の車に乗り換えるときは高値で売却でき、購入に充てる資金を増やせます。
全額経費にするなら4年落ちがおすすめ
購入した年に全額を経費計上したいのであれば、4年落ちの中古車を購入するのがおすすめです。4年落ちの中古車を購入した場合の耐用年数は2年で、定率法における償却率は1です。従って、基本的に購入した年に全額を経費計上できます。
ただし、その年の経費として全額計上できるのは事業年度の初月に購入した場合に限られます。それ以外の時期に購入した場合は、月数に応じて償却額を計算しましょう。
一例として、12月決算の法人が4年落ちの中古車を360万円で購入した場合を考えます。1月に購入した場合はその年の経費として全額を計上可能です。6月に購入した場合は、6か月分(180万円)が購入した年の経費で、残り6か月分(180万円)は翌年の経費として計算します。
経費計上で購入する中古車を探すならケーユーへ
事業用の車を購入するときは、用途や価格だけでなくリセールバリューや年式と減価償却の関係を意識する必要があります。さまざまな条件を満たす車の中から最適な1台を選ぶには、在庫が豊富で選択肢が広い中古車販売店を利用することが大切です。
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まとめ
法人や個人事業主が購入する事業用の車は、法令によって定められた条件を満たすことで購入にかかった費用を経費計上できます。減価償却や勘定科目をはじめとして知っておかなければならない情報が多数あるため、あらかじめ調べて適切に経費計上しましょう。
経済面を重視して車を購入したいと考えているのであれば、多くの車からリセールバリューが高い車や年式が適正な車を選ぶことも大切です。
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